東海原子力発電所の視察
「原子力発電所」の視察会のレポートです。

私は以前から
原子力発電所の地震等に対する安全性が気になっていましたので、
今回の原子力発電所の視察会はとても参考になりました。
さて、東海発電所は、
茨城県那珂郡の東海村というところにあります。

私は初めて知ったのですが、
原子力発電所は、国の機関ではなく、
「日本原子力発電株式会社」という会社が運営しているんですね。
略称は「げんでん」というそうです。
東海発電所に到着すると、
私たちは敷地内の一番入口近くにある
「東海テラパーク」に降ろされました。
テラパークの出入り口には、
マスコットキャラの「テラちゃん」のパネルが置いてありました。

「テラパワー」を持つからテラちゃんではなくて、
「地球」という意味のテラちゃんだそうです。
早速、テラパークに入り、
原子力発電所の仕組みを説明してもらいました。

私は今でこそ、
パソコンを専門とした職業に就いていますが、
大学までは、生物学を専攻としていたこともあり、
研究においても放射線を使用していましたので、
一般の方よりも多少の理解はできたものと思っております。
そういったことから、
今回の視察で私が学べましたことを
簡単にですがこのブログでも紹介したいと思います。
火力発電所や原子力発電所の
基本的な発電方法は一緒です。
水を高温もしくは高圧にし、沸騰および蒸発させ、
その蒸気でタービンを回します。
このタービンが回る力を
発電機を使って電気に変えるのです。
水力発電や風力発電・潮力発電・地熱発電も、
タービンやプロペラを回すという点では一緒です。

※いただいた資料より抜粋
さて、火力発電と原子力発電の大きな違いは、
水を蒸発させる「熱エネルギーの生成の仕方」になります。
火力発電所が石炭などの「化石燃料を燃やす」のに対して、
原子力発電所は「ウランの核分裂」により熱エネルギーを発生させます。
具体的には、原子力発電に使用する燃料は、
「ペレット」というウラン燃料を焼き固めたものになります。

※いただいた見本(磁石)です。
ペレット一つの大きさは
「シャーペンの上のカチカチするところ」くらいの大きさです。
成分は
ウラン235が3~5%
ウラン238が95~97%
となっています。
ウラン235とはウラン238に対して、
中性子の数が3個多いウランになります。
ウラン235はウラン238よりも核分裂しやすく、
核分裂の連鎖反応のトリガー(引き金)の役割を担っています。
逆にウラン238は核分裂しにくい物質です。
(難しい話は後に持ってきますので、
もう少し詳しく理解したい方は最後までお読み下さい。)
さて、一般者向けの説明を受けた後、
ガイドさんにより展示会場内を案内されました。


説明ではわかりにくかった部分を
ガイドさんが模型や写真を見せながら丁寧に説明してくれました。



BWRとPWRというのは、
それぞれ沸騰水型と加圧水型の略称で、
原子炉の構造の仕組みを表しています。
BMWと見えてしまった人は、
もう少しCO2削減に興味を持ったほうがよいかもしれません。
(私もそう見えてしまったんですが。。)



右上の写真の「モニタリング・ポスト」とは
放射線測定装置のことで、東海村周辺の25ヶ所に設置され、
各地の放射線量を測定しています。
ちなみに、
地球上には、宇宙(太陽)より降り注ぐ宇宙線や
大地から発する放射線がありますので、
数値が0を指していたら故障です。
とまあ、このようにして、
約2時間の東海原子力発電所の視察は終了いたしました。
リンク:
日本原子力発電株式会社
東京電力
ここから先は予備知識および感想になります。
補足事項:
■「放射能」とは?
ウランなどは「放射性物質」といいます。
その放射性物質から出ているビームが「放射線」です。
放射性物質には放射線を出す能力があるということで
「放射能」があるといいます。
計測の場合には「放射線量」を測るといいます。
(単位はシーベルトですが、実際に使用するのはミリシーベルトです)
■放射線の種類
放射線の種類は
大きく以下の5つに分けられます。
α線(アルファ線)
β線(ベータ線)
γ線(ガンマ線)
x線(エックス線)
中性子線
これらの線は、
それぞれ飛び方(波長)に特徴があります。
α線は、
紙を挟む程度(もしくは数mmの空気)で遮蔽(しゃへい)することができます。
β線は、
厚さ数mmの薄い金属板(アルミニウムなど)で遮蔽することができます。
γ線およびx線は、
10cmを超す厚い金属板(鉛など)でないと遮蔽することができません。
そして、中性子線は、
これらの金属でもっても遮蔽できませんが、
厚いコンクリートや水でもって遮蔽することが可能です。(水素を含む物質)
■核分裂に必要な放射線
連続した核分裂を誘発するのに必要なのは、
中性子線のみです。
つまり、α線、β線、γ線は、
予め遮蔽する造りとしておけばよいのです。
(実際、ウランを取り囲む作りとしては、
ペレット→被覆管→原子炉圧力容器→原子炉格納容器→原子炉建屋
といったように多重の遮蔽構造となっています)
■核分裂の仕組みについて
ウラン235が反応を起こすと、
バリウムやクリプトンといった2つの物質に分かれると共に、
2個の中性子線と熱エネルギーを発します。
飛んでいった中性子線はウラン238にぶつかることで、
ウラン238の核分裂を誘発します。
ウラン238は中性子線1個を吸収することで、
核分裂しやすいプルトニウム(239)に変化し、
そこから核分裂をすることで、
2つの原子+2~3個の中性子+熱エネルギーを発生します。
この「中性子が飛び出す→ぶつかる」の連鎖によって、
次々と核分裂反応が起こるのです。
そうして得られる熱エネルギーを、水を蒸発させるのに利用するのが
原子力発電の大まかな仕組みです。
■核分裂反応を制御する仕組み
原子力発電における発電の課程で大事なのは、
核分裂反応を制御する仕組みです。
核分裂を自然に任せていては、
エネルギー量がどんどん上がり(臨海に達し)、
次々と連鎖反応が進んでしまいます。
人々が「俺も私も」みたいに、
周りにつられて次々と手を上げてしまうようなイメージです。
この時に、「ちょっと待てまて!」と
制止(喝)を入れてくれるの役目を持つものがあります。
『制御棒』と呼ばれていて、
主に中性子吸収材で出来ています。
この「制御棒」が「燃料集合体」に割って入ることで、
核分裂の反応はすぐに収まります。
(ペレットを400個ほど一列に積み上げたものが燃料体で、
その燃料体を8列×8列ほどに並べたものが燃料集合体です)
このように、制御棒は、
原子力発電を行う上でも特に重要な役割を持っています。
ということからも、
この制御棒は通常の作業で動かす以外にも、
発電所内のどこか1ヶ所でもトラブルが発生した場合には、
システム制御により原子炉内に自動挿入される仕組みとなっているそうで、
核分裂を2~3秒内に止めることができるそうです。
もちろん、制御棒が動かない場合も当然想定されていて、
その場合には、中性子を遮断したり、原子炉内を冷やしたりする役割を持つ
「水」が原子炉に注がれるそうです。
■原子炉の構造の違いについて
BWRとPWRの2種類があります。
沸騰水型炉(BWR:Boilng Water Reactor)
加圧水型炉(PWR:Pressurized Water Reactor)
構造の違い以外のところで、最も大きな違いは、
発電タービンに放射能を持った水(水蒸気)が行くか行かないかです。
直感的にはPWRのほうがよいかと思いますが、
それが正しいかどうかはわかりませんので、
興味のある方は専門のサイトで調べてみてください。
■プルサーマルとは
ウランの使用済燃料ですが、
ウラン235が消費されるのが主で、
残りの95~97%は再利用できるそうです。
そこで、使用済燃料から核分裂生成物(3%)を分離し、
ウラン235(1%)とウラン238(95%)とプルトニウム239(1%)を取り出した後、
プルトニウム(4~9%)とウラン(91~96%)の構成で合成したもの(MOX燃料)
を作り、原子力発電所で利用できるようにする仕組みを作りました。
それをプルサーマルと言います。
(プルトニウムのサーマルリアクターの合成語)
再処理施設とかプルサーマル施設とか
最近よく耳にしますよね。
廃棄物の量を減らすために、
原子力の分野でもリサイクルが進められてるようです。
■東海原子力発電所にある原子力発電施設
東海発電所(1号基)と
東海第二発電所(2号基)の二つがあります。
1号基は既にその役割を終え、
現在稼働しているのは2号基のみです。
■廃止措置
東海発電所(1号基)は
現在「廃止措置」という工程の途中です。
廃止措置とは、
原子力発電所を解体撤去して、
その土地を再び有効利用できる状態にすることです。
1号基の工程表は以下のようになっています。
1998年(平成10年)の3月31日に営業運転を停止しています。
2001年(平成13年)の12月4日より「廃止措置」に着手しはじめました。
2017年(平成29年)に最終の建屋の解体撤去までが完了する予定です。
原子力発電所の解体には約20年かかります。
■気になった点(軽めのことのみ)
水蒸気の冷却には海水が使用されるそうです。(「復水炉」の部分。)
原子力発電所が海岸にあるのもそのためです。
その冷却においては、
25mプールが4秒で満杯になるくらいのポンプが使用されるそうです。
もちろん、冷却水に放射性物質が溶け込むなんてことはないのですが、
気になった点はそこではなくて、冷却水が海に戻されるときの温度。
復水炉の冷却に利用された水は10分ほどで海に戻されるそうですが、
その時の水温は、元の水温より7℃ほど高いそうです。
元の水温が20℃だとすると27℃の海水ってことですよね?
これって人工的に発生した局地的エルニーニョ現象ですよね?
発電所の方は、
「釣り人の方は、大きな魚が取れるからいいポイントだって喜んでいます。
餌となるプランクトンが多いんでしょうね。」
って冗談っぽく言ってましたけど、私は笑って流せませんでした・・・
だって実際にプランクトンが異常発生している「赤潮」とも表現できるし、
生態系崩しているような・・・
というか、この発言はマズイ??
まずくなったら消去します。
■最後に
この記事は原子力発電所の仕組みについて
多くの人に少しでも理解をしていただけたらという
思いで書きました。
原子力発電の是非については
みなさんいろいろな意見をお持ちかと思いますが、
討論を目的とした記事ではございません。
万が一、熱い討論が繰り広げられ、
ブログが臨海に達する恐れがあると判断された場合には
「制御棒」を注入させていただきます。
あと、情報に誤りがございましたら、
優しく間違いを指摘していただけると幸いです。
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